niziiro_star’s diary

必然の中で今動き出す物語

妄想桜

春が出会いと別れの季節とはよく言ったもので、私もこれまで20何回の春を過してきた。その中で、少ないながらも何度も出会いと別れを経験してきた。

 

なぜ春が起因となるのか。それは春夏秋冬という流れの中で、春が始まりであるからなのか。4月〜3月という暦が物心着く前から身体に染み付いているせいなのか。寒い冬を超えて、少しの暖かさが出てきた頃が、新たな1歩を踏み出すのにちょうどいいからなのか。はたまた桜のせいなのか。

そんなもの私には分からない。私だって物心つく頃から春がそういう季節だったから。

 

何度も春を経験してきた中で、こんなにも訪れて欲しくない春を経験するのは初めてだろう。叶うならずっと冬でいい、このまま暖かくならなくていい。4月よ永遠に来るな。そう何度も願っても、季節は無常にも流れ、春はやってくる。

それが日本の四季というものであり、抗えない事実であるのだから、人間とはちっぽけな存在だと改めて気付かされる。

 

別れがあれば、即ち出会いがあるのかもしれない。もしかすると、私にも新たな出会いがあるのかもしれない。

ただ、今後どんな出会いだったとしても、君以上の出会いに導かれる事があるのだろうか。これだけ本気になれることがあるのだろうか。

そう思えるくらい、君には真剣に向き合ってきたし、これまでの人生で君以上に好きになった人は居ないのだから。

 

君とすごした季節は、季節で言うと冬春夏秋冬の5つ、それは中学生が高校生になるまでよりも遥かに短い。だけど、それよりも確かに多くの過ごした時間があり、数え切れないほどの思い出が確かにある。

今までの思い出全てと、これからの待っている思い出達を胸に、悔いのないように残り少ない冬を私は過ごしていかなければならない。

もう春はすぐそこまで来ているのだから。

 

ま、これだけ言っといて、君と出会ったのは紛れもなく"冬"なんだけどね。